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【第一回】

【土方を大沢たかおと思い浮かべながら。
相方の加藤は、こてこて関西人30代風の刑事を思い浮かべながら読んでみて】


2人の刑事は3週間前に殺人を犯した男を追っていた。
8月のある日、例年よりも暑い日々が続く中、容疑者と恋人関係にあった女性が住むアパートの張り込みをしていた。

「ふぅ〜ん」と頷き、運転席に座っていた加藤は、読んでいた週刊誌をポイと後部座席に投げ置き、隣に居る土方に話しかけた。

「なぁ、最近、年寄りから子供に関係なく、突然死が多いらしな〜。ま、この暑さや からなー。ポックリなんて事もあるかもな」

「・・・・・・・・・」土方。

「お前知ってたか。突然死の話」

「・・・・・・」土方。

「なぁ。土方聞いてたか」

「・・・・」

「土方」

「聞いてるよ」とサングラスをかけなおす。

「都内で突然死が流行ってるってんだろ」

座席のシートから体を起こしながら、「原因はなんだって?」

「本には異常な暑さ、現代の食生活やら。イマイチわかってないらしいで」

「暑さだとか、何だとか関係ねーよ。運命さ。人の運命ってやつだな。寿命を全うしただけさ」

「ま、そうやな。俺らも働きすぎで過労死でポックリなんてにせなあかんな」

ため息をつきながら「そうだな」と土方は再び座席のシートに寄りかかり、

二人は引き続き張り込みを行った。
張り込み中の車の中は沈黙していた。
この二日間突然死の話を最後に二人は全く会話がなかった。

そんな空気の中、普段は寡黙な土方が急に呟いた。

「近くまで来てるな」

「えっ、何か言うた」

おやつ用に買っておいたドーナツを食べながら加藤は土方の方を見た。

「近くまで来てるよ」

土方は煙草に火を点けた。

「誰が?」

「ホシだよ。もう、ボチボチ・・・・・・・・・・・・・だな」

「ええっー。何で。また、いつもの・・・」と一瞬ボー然としていた加藤だったが。

食べかけのドーナツを慌てて口に放り込み、バックミラーを覗き込み口の周りや髪型をばっちり直した。

「別にいい女とデートするわけでもねーんだから」

それを横で見ていた土方は苦笑いした。








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